NBA のツーウェイ契約 (Two-Way Contract)
ツーウェイ契約は、選手が NBA チームとその傘下の G リーグチームの両方でプレイすることを可能にする特別な契約形態です。2017-18 シーズンに導入され、主に若手選手の育成と、NBA チームのロスター管理の柔軟性を高めることを目的としています。2023 年に締結された CBA(団体交渉協約)により、いくつかの重要なルール変更がありました。
主なルール (2023 年 CBA に基づく)
-
契約枠: 各 NBA チームは、通常の 15 人のロスター枠とは別に、最大3 人の選手とツーウェイ契約を結ぶことができます(2023 年 CBA 以前は 2 人)。
-
資格要件: NBA でのプレイ経験(Years of Service)が4 年未満の選手のみが対象となります。
-
サラリー:
- ツーウェイ契約のサラリーは、シーズンごとに定められた固定額です。2023-24 シーズンでは、約$559,782(そのシーズンのルーキーミニマムサラリーのちょうど半額)でした。
- このサラリーは、選手が NBA チームに帯同しているか、G リーグでプレイしているかに関わらず、シーズンを通じて支払われます(以前の日割り計算から変更されました)。
- ツーウェイ契約のサラリーは、チームのサラリーキャップには計上されません。
-
NBA でのプレイ制限:
- ツーウェイ契約選手は、レギュラーシーズン中に最大50 試合まで、所属する NBA チームのアクティブリストに入ることができます。
- チームの標準契約選手が 15 人未満の場合(Under-Fifteen Game)、ツーウェイ選手がアクティブリストに入れる試合数には追加の制限があり、シーズン合計で最大 90 試合までとなります。
-
プレイオフ出場資格:
- ツーウェイ契約のままでは、選手はNBA プレイオフの試合に出場する資格がありません。
- プレイオフに出場するためには、レギュラーシーズン終了までに標準 NBA 契約に切り替える必要があります。
-
契約期間: ツーウェイ契約の期間は、最大で2 年間です。
-
標準 NBA 契約への転換 (Conversion):
- チームはシーズン中いつでも、ツーウェイ契約を標準 NBA 契約に切り替えることができます。
- これを行うには、チームに 15 人の標準ロスター枠の空きがあり、かつサラリーキャップに余裕がある必要があります。
- 標準契約に切り替えられた場合、その後のサラリーは標準契約の規定(通常は最低年俸)に従います。
-
Exhibit 10 契約との関連:
- Exhibit 10 は、主にトレーニングキャンプ契約に付随する条項です。
- Exhibit 10 付きの契約を結んだ選手がキャンプ後にウェイブ(解雇)され、その後チームの G リーグ傘下チームに加入し一定期間在籍した場合、ボーナス(最大$75,000 程度)を受け取ることができます。
- また、チームは Exhibit 10 契約をツーウェイ契約に切り替える権利を持ちます。このため、ドラフト外選手などが Exhibit 10 契約を経てツーウェイ契約を結ぶケースが多く見られます。
2023 年 CBA による主な変更点まとめ
- ツーウェイ契約枠が 2 枠から3 枠に増加。
- サラリーが日数に応じた日割り計算から、固定年俸(ルーキーミニマムの半額)に変更。
- NBA レギュラーシーズンでアクティブリストに入れる試合数が最大50 試合に設定。
- プレイオフ出場資格は引き続きなし(標準契約への転換が必要)。
ツーウェイ契約は、NBA チームにとっては有望な若手を低コストで確保・育成する手段であり、選手にとっては NBA への扉を開く重要なステップとなっています。